日本は水道水が飲める数少ない国のひとつです。多くの地域で昔よりもカルキ臭さが少なくなり、おいしい水が蛇口から出てきます。では、どうして水が豊かな日本でも節水が必要なのでしょうか。
第1問 水道水をそのまま飲める国は世界でどれくらいあるでしょうか。(国土交通省「令和3年版 日本の水資源の現況について」)
正解
不正解
正解は12か国

水道水をそのまま飲むことができる国は日本を含めて12 カ国しかありません。

第2問 私たちがいつでも安全な水を手軽に得られるのは、浄水場で殺菌などの処理を行い、ポンプで各家庭まで給水しているからです。東京都は安全な水を届けるのに、年間どのくらいの電気をつかっているでしょうか。
正解
不正解
正解は年間8億kWh(一般家庭約20万世帯分)

水道局は年間約8億 kWh もの電気を使用しており、2020年度の都内全体の電力需要実績762 億 kWh(資源エネルギー 庁より)の約1% に相当します。電力消費が多い現状から、水道局も節電になる様々な取組を実施しています。

電気なしではつくれない水

優れた水道技術のおかげで、私たちは蛇口から直接飲める安全な水を得ることができます。
ただ、その水道技術は、電気を大量に必要とします。蛇口をひねるだけで水が出てくるため、忘れがちですが、実は水道水の供給にも電気が使われています。

例えば、東京都水道局では電力を年間約8億kWh消費していますが、どこに電力を使っているのでしょうか。

2020年のデータでは、約60%が水を水道管やポンプを使って運ぶ送配水に、約33%が使用された水を安全な状態まできれいにする浄水に、残りが河川等から水を取り入れる取水・導水や水道局のオフィスで使用されています。

蛇口の裏では莫大な電力を消費していたわけです。

きれいな水が手軽に飲めない国の人々に、直接支援することはできませんが、節水は節電につながり、節電はCO₂排出量の削減につながります。そして最終的には地球環境や世界の人々の生活を守ることになるのです。

私達ができる水の使い方の工夫

日常生活の中で、小さな工夫を重ねることで、節水ができます。次のような時に、どれくらい水が使われるのでしょうか。

  • トイレの大と小の違い:1L
  • シャワーを2分間出しっぱなしにする:20L
  • 植木鉢(直径15〜18cm程度)3個の水やり:1.8L

トイレは自動洗浄にせずに大と小を使い分ける、シャワーを出しっぱなしにせずこまめに止める、雨水を溜めて散水に使うなど、小さなことから始めてみましょう。特に飲料以外の水は、再利用したものを使用すると良いでしょう。花は雨水の方が良く育つという見解もあります。

まとめ

安全な水を届けるために、東京都だけでも年間8億kWhの電気が使われています。
水はただではありません。私たちの手に届くまでに電気が使われていることを忘れないで。
個人の節水意識が省エネルギーになります。

RECIPE×SDGs
エコな水の使い方

あなたの周りで、水を有効活用しているエコな取組はありますか。

天水槽を再現
エコの優等生である江戸時代に活躍した天水槽。雨水を溜め、生活用水や防火のための水として活躍しました。実際に墨田区では、路地の安全を守るシンボルとして、「路地尊」という名の天水槽があり、植物の水やりや水遊び、防災時の水源として利用されています。
他にも、水不足の問題が発生しやすい沖縄県や、水道普及率が低い途上国で、現在も天水槽が利用されています。

飲料としては優秀な水道水
思ったより電気を使っていることがわかった水道水ですが、ペットボトル飲料と比較すると、エコな飲み物です。どのくらいエコなのか、知っていますか?