日本では、街中に様々な飲食店があり、スーパーに行けば国内外で作られた食品が並んでいます。日々の楽しみの一つにもなる食事ですが、同時に様々な環境問題と結びついています。食事をより環境に良く、サスティナブルなものへと変えるにはどうしたらよいでしょうか。
第1問 サスティナブルの意味は次のうちどれでしょうか。
正解
不正解
正解は持続可能な、ずっと続けていくことができる

サスティナブルとは英語でsustainable「持続可能な、ずっと続けていくことができる」という意味です。今EUを始めとする世界各国で、地球環境を壊さず未来でも豊かに生活していけるサスティナブルな社会を目指す動きが出ています。

第2問 2050年の世界の肉の需要は、2005年~2007年の需要と比べてどれくらいになると予測されているでしょうか。(FAO WORLD AGRICULTURE TOWARDS 2030/2050より)
正解
不正解
正解は1.8倍

世界人口の増加や、経済的成長期にある中国・インドなどの国で肉類を食べる人が増加し、2050年には肉の需要が1.8倍になると予測されています。

サスティナブルな食事の仕方

食材がどのように生産・加工されたかによって、CO₂排出量は大きく変わります。また、同じ食材でも産地や生産時期によって環境負荷が異なります。ではどうすればサスティナブルな食事になるのでしょうか。

①温室効果ガスの排出量が少ない食品を選ぶ

食品の種類によって、温室効果ガスの排出量は異なります。
各食品のサプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から製造、販売までの一連の流れ)での温室効果ガスの排出量を見てみましょう。

出典:2020年 Our World in Data「You want to reduce the carbon footprint of your food? Focus on what you eat, not whether your food is local」に基づきリーテムが図作成)

発見1:肉類のCO₂排出量が大きい!特に牛肉は他の食品に比べ排出量が大きい

発見2:野菜や豆類のCO₂排出量が少ない!

②国産の食品を食べる

海外から輸入した食品は運搬で多くの燃料を使うので、たくさんのCO₂を排出します。生産地と消費地が近ければ近いほど、CO₂排出量は少なくなります。

③旬の食材を食べる

本来夏に収穫される野菜が冬でもスーパーに並ぶなど、今では旬の季節に関係なく、年中栽培される食材があります。しかし、食材が育つ温度や日照時間にするには、化石燃料や電力を大量に使います。旬の食材や、その地域の気候や土地の特徴を生かして作られた地場の食材を積極的に食べましょう。

④買うときは手前から、食べるときは残さず食べる

家庭で出る食べ残しなどの家庭系食品ロス量は、2020年で247万トンでした。家庭系食品ロスは、食品ロス全体の約47%を占めます。あなたの日常の調理や食事の仕方に無駄はありませんか。食品ロスが少なくなる工夫があればぜひ下の自由コメントから教えてください。

まとめ

食材の生産・加工方法によってCO₂排出量が異なり、牛肉では60kg-CO₂/kg、鶏肉は6kg-CO₂/kg排出します
食材の選び方、食事の作り方を一工夫することによって、CO₂排出削減や食品ロス問題解決につながります。
また、将来の食料不足を危惧して、食材の生産性を上げる研究や新しい食材の提案がされています。興味のある方はぜひ調べてみてください。

RECIPE×SDGs
食材の未来はどうなる?

今の日本そして世界の食生活はサスティナブルと言えるでしょうか。

見えない生産者の労働環境
発展途上国では加工されていない食材(一次産品)を生産し、輸出することが多いです。しかし、不公平な貿易取引により、生産しているのに現地では食べられない、安い人件費や劣悪な環境で働かされるなどの問題があります。

海外からの輸入に頼った食事
日本の食料自給率(カロリーベース)は2021年度で38 % で、先進国の中で最低水準です。日本で生産量が少ない食品は、輸入により安く手に入る良さもありますが、過度に頼ると、フードマイレージの増加や不測の事態で輸入が止まった際に、価格に影響を及ぼします。

気候変動により収穫量不足に
地球温暖化により、干ばつや大雨の被害は農業に直接被害を与えます。実際日本で起きた気候災害によってその地域で栽培されている野菜の収穫量が不足し、値段が例年より大幅に高くなる事象がすでに起きています。