バーチャルウォーターは、ロンドン大学教授のアンソニー・アラン氏がはじめて紹介した考えで、食品の輸入の背景にある水の消費量について考える言葉です。
2019年の日本の水使用量は785億㎥で、そのうち約68%の約533億㎥を農業用水として使いました。
見えないところで使われている水
世界には様々な食品があふれていますが、どの食品でも、生産する時に必ず水を使います。例えば、次のようなところで水が使われています。
- 田畑づくり
- 農作物の水やり
- 家畜への水分補給・清掃
- 加工施設での加工・洗浄作業
また日本は食料自給率が低いため、多くの食品を海外から輸入しています。
つまり、私達は海外の水を使って生産された食品を多く食べており、世界の水不足の問題は、私達の行動や生活にも関係しているのです。
どうしてお肉は輸入しなければいけないの?
日本の食料自給率が低い要因として、お米の消費量の減少と、畜産物・油脂類の消費量の増加があります。お肉の消費量は、戦後の高度経済成長期の1960年度から2019年度の間に、約10倍に増えました。それにより、国内生産量も増えましたが、日本の農地の広さや人員では需要を満たすことができず、輸入に頼っています。
食料1kgあたりのバーチャルウォーター
バーチャルウォーターは、食品によって異なります。どのような食品で多くの水が使われているのでしょうか。
まとめ
毎日食べている食品の生産には、実はたくさんの水が使われています。日本は多くの食品を輸入しているため、特に海外の水に頼っていると言えます。
RECIPE×SDGs
食料に関わる水の問題は、使用量だけではない
水の使用量が多いことは、どのような問題に発展する可能性があるでしょうか。また、農業や酪農で使う水は、他にどのようなことを気を付けなければいけないでしょうか。
川や海の汚染
特に発展途上国では家畜の排泄物や害虫、飼料に含まれる抗生物質などが適切に処理されないまま川に流れているケースがあり、川や海の生き物やその地域に住む人に健康被害が出る危険があります。
食品ロスは水ロスに
たくさんの水が使われてできた食べ物を残すことは、食品ロスの問題だけでなく、間接的に水を無駄使いしていることにつながります。
- 「食品ロス」を減らさないといけないのはなぜ?のレシピはこちら
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