現代の私たちは“モノ”にあふれ豊かな生活を過ごしています。しかし、その反面で粗末に扱われているモノも増えています。
平安時代には、そんな粗末に扱われた“モノ”が化けて“ツクモガミ(付喪神)”として人間に災いをもたらすと言い伝えられていました。
第1問 ツクモガミのお話が語られ始めたのは西暦のいつ頃でしょうか?
正解
不正解
正解は1100年頃(平安時代後期)

この時期には文学や芸術が盛んになり『枕草子』や『源氏物語』が書かれていました。そんな中、『今昔物語集』という物語の中に“ツクモガミ”が初めて記載されました。

第2問 一般廃棄物(家庭ごみ)のリサイクル率はどのくらいでしょうか?(2025年9月現在)
正解
不正解
正解は約20%

環境省の調査によると、令和3年の一般廃棄物の処理量は4,095万tのうち約19.9%の816万tがリサイクルされました。しかし、残りの80.1%がごみとなっているため、リサイクル率を向上させる必要があります。
出典:環境省 一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和3年度)について(www.env.go.jp/press/press_01383.html

千年以上続くツクモガミの言い伝え

昔から言い伝えが残るツクモガミには2種類いるとされています。
幸福をもたらすツクモガミと不幸をもたらすツクモガミで、それぞれに生まれ方や人に与える影響が異なるようです。

幸福をもたらすツクモガミ

言い伝えによると、その道具が100年という長い時間、毎日人間に大切に使われ続けることで魂を宿して人前に姿を現したもの、それが幸福をもたらすツクモガミとされています。
大切な物として長い時間使われたことで生まれたツクモガミは、持ち主を災いから守ってくれたり、その恩恵で豊作になったりと幸福をもたらしてくれると言われています。

国立国会図書館が所蔵する、「付喪神絵巻」の模本『付喪神繪』です。古道具たちが付喪神と呼ばれる妖怪に変化する物語です。
出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」(https://ndlsearch.ndl.go.jp/imagebank)

 

不幸をもたらすツクモガミ

一方で、モノの扱い方が悪かったり、まだ使えるうちに捨てたりすると、その怒りや憎しみから怨霊や妖怪として現れることがあります。
それが不幸をもたらすツクモガミとされています。
人間に強い怨念を持って生まれてきたツクモガミは、恨みを持った人間に呪いをかけたり、不幸をもたらすと言い伝えられています。
不幸をもたらすツクモガミが集まり、人々に災いをもたらす大行進「百鬼夜行」を行うことがあるともいわれています。

夜更けに京都の大通りを「鬼」と総称される異形のものが闊歩する「百鬼夜行」の様子を描いた絵巻物です。描かれた異形の大半は付喪神ツクモガミと呼ばれる古道具の妖怪です。
出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」(https://ndlsearch.ndl.go.jp/imagebank)

 

現代に起こりうる百鬼夜行

現代は便利なモノがあふれて、暮らしやすくなっています。
しかし、モノがたくさんあるからと、人がモノを粗末に扱ったりしても良いという通りはありません。
スマホやゲーム機の扱い方が悪いと現代の百鬼夜行が起こるかもしれません。
実際、モノを大切にせずにごみとしてどんどん捨ててしまうと、資源が足りなくなり新しくモノを作ることが出来ず生活が不便になる可能性があります。
いずれにせよ「モノを大切にする」に越したことはありませんね。

 

もし、現代の道具たち(パソコンやスマートフォン、ゲーム機、カメラなど)がツクモガミと化し、百鬼夜行をはじめたら…?(生成AIによるイメージ画)

まとめ

日本では昔からモノを粗末にすると災いが起こるという言い伝えがあり、モノを大切に扱う精神が培われてきました。
私たちもこの言い伝えを守って持続可能な社会を作っていきましょう。

RECIPE×SDGs

実際にモノを大切にすることで資源循環や気候変動にどのような良い影響があるでしょうか。

モノを使い終わったらリサイクルしよう
たとえ、大切にモノを扱おうと心がけていても、ふとしたことで「壊してしまった!」ということは誰にでもあると思います。しかし、今まで使ってきた責任として、捨てる際には正しい分別をしましょう。モノがリサイクルされたら、また別の製品に生まれ変わり、大切に使うことが出来ます。

気候変動は現代の百鬼夜行かも?
捨てられたモノが焼却処理されたり、廃棄した分の製品を新たに製造したりすると、温室効果ガスが排出され地球温暖化に繋がります。このようにモノを長く大切にすることやリサイクルすることは気候変動の対策になります。