世界気象機関WMOは、異常気象が新しい平常になっていると指摘しています。日本でも大雨の被害が毎年のように出ています。これから私たちは異常気象にどのように向き合えばよいでしょうか。
第1問 日本国内13地点での1993年~2022年(30年間)での猛暑日の平均年間日数は、1910年~1939年(30年間)と比べて、どのように変化したでしょうか。
正解
不正解
正解は約3.5倍に増加

気象庁によると、1993~2022年の猛暑日の平均年間日数は約2.7日、1910~1939年では約0.8日であり、約3.5倍に増加しています。
出典:気象庁 大雨や猛暑日など(極端減少)のこれまでの変化

第2問 気温が1℃上がると大気中の水蒸気量は約何%増加するでしょうか。
正解
不正解
正解は約7%

気温が上昇すると、海面や地面の水が蒸発し、水蒸気になります。また大気が蓄積できる水蒸気の量(飽和水蒸気量)も1℃につき約7%増えるため、大雨や豪雨につながりやすくなります。

そもそも異常気象とは?

異常気象は一般的に過去の現象から大きく外れた現象のことを言います。大雨、干ばつ、異常高温・低温などの様々な現象があり、気象庁では特定の場所と時期で、30年に1回以下の程度で発生する現象を異常気象としています。

世界中で起きている異常気象

世界では、毎年様々な異常気象が起きています。近年起きた異常気象をご紹介します。

1. 2023年の世界の平均気温は観測史上最悪
気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は2023年7月が観測史上最も暑くなると発表しました。7月末の気温の計測結果が出る前から発表するほど、2023年7月の気温は過去の平均気温から突出しており、国連のグテレス事務総長は「明らかに地球全体が災害状態。」と表現しました。

出典:7月の世界の平均気温の推移 コペルニクス気候変動サービス(C3S)

2.異常な速さで解けるグリーンランド氷床

グリーンランドは約85%が氷で覆われ、気温が10℃を超えることはまれな島です。しかし、2021年には北部で20℃を超え、8月中旬には平均の7倍の量の氷が解けました。そして、今まで雪しか観測されなかった地点で雨が降るという異常な現象が起きました。

3.南アジアで大雨により4510人以上が死亡

南アジアとその周辺では、2022年5~9月に大雨が降り、4510人以上の死者が出ました。特にパキスタンでは1730人が死亡し、南部のジャコババードでは、7月の降水量が平年の約10倍、8月は約17倍にのぼりました。

他にも世界で様々な異常気象が起きています。詳しく知りたい方は、気象庁や世界気象機関のサイトをぜひご覧ください。

異常気象を止めることはできない?

今後、世界中で環境問題に積極的に取り組んだとしても、ある程度、地球温暖化は進むと言われています。これから私たちは、環境の悪化を抑える取組(緩和策)だけでなく、異常気象に対応できる社会づくり(適応策)も必要です。異常気象に対する防災を考えてみましょう。

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まとめ

異常気象による災害は、世界で毎年何件も起きています。
世界気象機関WMOは、異常気象が新しい平常になっていると言っていますが、異常気象が日常的になり、慣れてしまって本当に良いのでしょうか。

RECIPE×SDGs

異常気象が起きた時、私たち、そして地球上の生物にとって、どのような影響があるでしょうか。

異常気象による経済悪化のリスク
大規模な気象災害が起きた場合、建築物や交通機関の復旧や街の再整備にお金がかかります。被害があった地域によっては、食料や製品の価格にも影響を及ぼします。2022年は干ばつ、洪水、熱波が世界の大部分に影響を与え、損失額は何十億ドルにものぼりました。
※10億ドルは約1500億円(1ドル約150円とした場合)

氷床が解けると生態系にも被害が
氷床は塩分が含まれていない真水でできています。温暖化により、氷床が海に解け出すことで、海水の塩分濃度や水温が変化し、海洋生物が生存できない環境に変わってしまうおそれがあります。